みなさん、プレゼンは得意ですか?
もちろん、中には得意な人もいると思いますが、ほとんどの人はプレゼンに対して何かしらの不安があるのではないでしょうか。
その中で、「プレゼン中に原稿を見てもいいのかわからない」というのはプレゼンの不安要素のうちの1つです。
たしかに、原稿を見ながらプレゼンをして注意をされたことのある人も少なくないでしょうし、かといって原稿を見ずにプレゼンをするのは心もとないと感じることもあると思います。
そこで、今回は原稿を見ながらプレゼンをしても良いのか良くないのか、そしてどのようなやり方なら原稿を見ながらプレゼンをしても不自然にならないのかについて考察していきます。
原稿を見ながらプレゼンをするのはOK?NG?
さて、まずは原稿を見ながらプレゼンをすること自体がそもそも良いことなのか?悪いことなのか?について見ていきます。
もちろん明確な正解はありませんので、参考程度にしてください。
原稿を見ながらプレゼンすることによるメリット
まずは原稿を見ながらプレゼンをすることによるメリットについて紹介していきます。
原稿があることで内容の抜け漏れを防ぐ
まず最初のメリットとして考えられるのは、内容の抜け漏れリスクが下がることです。
いかに準備をしっかり積んでいようと、プレゼン当日は何が起こるかわかりません。
緊張するあまり、話そうと思っていた内容が頭から飛んでしまい、伝え漏らしてしまうことも少なくありません。
そんな時に役立つのが原稿の存在です。
プレゼンの最中やスライドが切り替わる瞬間など、定期的に自分の伝えたいことを書き記している原稿に目をやることによって、伝えたいことの抜け漏れを防ぐことができます。
そういった意味で、仮に全ての文言を記さないにしても、だいたいこういった内容を伝えようといった備忘録のような原稿を持ち込み、見ながらプレゼンを行うことは上策と言えるでしょう。
原稿をプレゼン中の休憩地点として活用する
原稿を読んでいい場合は活用しない手はない。緊張してきたら読めばいいのだから難しくもない。目線も逸らすことができる。
— プレゼン克服bot (@coffeecafe123) August 15, 2022
他にも、原稿を見ながらプレゼンをすることを緊張対策に使うことができるという考えもありました。
これはツイッターで回ってきた内容なのですが、なるほどと思ったので載せています。
ただ単に原稿をカンニングペーパーとして活用するだけでなく、緊張してきたタイミングで原稿を読むことでホッと一息つく効果も期待できるようです。
プレゼンなど、人前で話すことが苦手だという人ほど、原稿を作っておくと良いかもしれませんね。
原稿を作ることでプレゼンの質そのものが向上する
続いてのメリットは、プレゼン中というよりはプレゼンを作成している時に役立つものになりますが、紹介しておきます。
プレゼンの上手な人の共通点として良く挙げられているのですが、原稿を作るという行為自体がプレゼンの質そのものを向上させるという説があります。
というのも、基本的にプレゼン用の資料として作られるパワーポイントは長い文章のみで構成された原稿とは異なり、画像や図解を使えるだけでなく、箇条書きを駆使することで見やすく簡略化された資料を作成することができます。
しかし、簡略化されたということはプレゼンに行間が生じてしまっており、読み手によっては伝えたい意図と反する内容で伝わってしまうこともしばしばあります。
そこで、資料を完成させる時には原稿もしっかりと作成しておくことによって、この内容で聞き手に正しく内容が伝わりそうか、ということをリハーサルという形で事前に確認しておくことができます。
したがって原稿には、当日の安心感を与えるだけではなく、プレゼンの質を向上させる効果も期待できるのです。
原稿を見ながらプレゼンすることによるデメリット
では、続いては原稿を見ながらプレゼンをすることによるデメリットについても触れていきましょう。
原稿を見ていることが聴衆にマイナスの印象を与える
まず、これは皆さん聞き手として経験があるとイメージがしやすい内容になると思いますが、プレゼン中に原稿を見ていることに対してマイナスの印象を受けるという点です。
原稿を見ながらプレゼンをしている人を見ると、「プレゼンにあまり自信がないのかな?」だったり、「ああ、決まりきった内容を話しているんだな」と、少なからずネガティブな印象を抱くこともあるのではないでしょうか。
もちろん、話し手にはそういった意図はないでしょうし、大切なことを伝え漏らさないために原稿を見ながらプレゼンをすることは決して間違った行動ではありません。
しかしながら、聴衆にそういった印象を与えてしまうことがあるというのも事実です。
よって、原稿を見ながらプレゼンをする時にも、聴衆に不信感を感じさせないようなやり方を検討するのが吉でしょう。
原稿があるとお経プレゼンになってしまう
また、原稿を見ながらプレゼンをすることによるもう1つのデメリットは、プレゼン自体が下手になってしまうということです。
プレゼン中の原稿はまさに自転車の補助輪のようなもので、目の前にあるとなかなか手放すことは難しいです。
原稿に頼り切ったプレゼンは、目的がプレゼンをすることではなく「原稿を読むこと」になってしまうことが多く、聞き手にもそれは伝わってしまいます。
本来、プレゼンでは抑揚をつけることで重要な部分を強調して伝えることができますが、原稿を読んでいるだけではプレゼンターの感情や抑揚が伝わりづらく、プレゼンターから発されるお経のような文字を消化するだけの時間となってしまいます。
これは俗にお経プレゼンと言うようです。
せっかく内容が良くても、表現するためのプレゼンが悪ければ内容も台無しになってしまうため、お経プレゼンには気を付けるようにしましょう。
原稿を見ながらプレゼンをしても不自然にならない方法
さて、先ほどは原稿を見ながらプレゼンをすることのメリットとデメリットについて述べてきました。
プレゼン中に原稿を活用することはメリットとデメリットの両方を持ち合わせていることがわかりましたが、やはりどうしてもデメリットが気になってしまうこともあるでしょう。
そこで、ここからは原稿を見ながらプレゼンをしても不自然にならない方法をいくつか紹介していきます。
原稿に集中し過ぎないようにプレゼンをする
原稿は確かに便利ですが、ずっと原稿を見ながらプレゼンをしていると聞き手からの印象も良くないですし、プレゼンター側のプレゼン力の低下を引き起こしてしまうこともあります。
そこで、これはプレゼンの鉄則ともいえる要素になるのですが、プレゼン中はあまり原稿に集中し過ぎないように注意しましょう。
なるべく原稿ではなく聞き手を見てプレゼンをする
原稿に集中し過ぎないようにプレゼンをするための1つ目のコツとしては、なるべく原稿よりも聞き手に意識を向けてプレゼンをすることです。
というのも、プレゼンは一方的なコミュニケーションではなく、聞き手とプレゼンターの双方向コミュニケーションです。
よって、あくまで原稿は補助程度に、アイコンタクトをして聞き手の反応を伺いつつプレゼンを進めていくことでプレゼンの効果を数段向上させることができます。
原稿に意識が集中すると、なかなか聞き手の反応を見ることは難しいため、ずっと原稿を見ながらプレゼンをするというのはあまりおすすめできません。
最初は難しいかもしれませんが、慣れてくるとプレゼン自体がとても楽しいものになっていきますよ。
お経プレゼンにならないように抑揚を意識する
2つ目のコツとして、先ほど紹介したお経プレゼンにならないように注意しましょう。
プレゼン前は自分は大丈夫だと思っていても、プレゼンの当日いざ始まってみたら緊張してしまい、いつの間にかお経のように原稿を唱えてしまっていた、という経験をしたことのある方は少なくないはずです。
特に原稿を持っていると、原稿を見ながらつらつらとプレゼンを進めることができてしまうので要注意です。
お経プレゼンは早口にも繋がるので、プレゼンの当日はいつも以上にゆっくりと、抑揚をつけて話すことを意識するようにしましょう。
発表者ツールを原稿代わりに用いてプレゼンをする
また、発表者ツールという機能を活用することで、当日の気持ちの持ちようだけではなく、事前準備の段階から工夫をすることができます。
発表者ツールとは、プレゼンターにとってのカンニングペーパーのようなもので、上の画像のようにプレゼン中の画面上に自分だけが見ることのできる原稿を表示させることができます。
オンライン・オフライン問わずに活用ができる上に、紙の原稿よりも原稿を読んでいることが聞き手にも伝わりづらいので、少し原稿や箇条書きのメモが欲しい時にもうってつけの機能となります。
オフラインでのプレゼンの場合
オフラインでのプレゼンの場合、モニターに繋いだPCに表示された発表者ツールに原稿が表示されます。
もちろんモニターで投影されたパワーポイントには現在表示中のスライドのみが映るようになっているので、発表者ツールが聞き手に見られる心配はありません。
発表者ツールを使って原稿を見ながらプレゼンをする方法について以下の記事でまとめているので、興味のある方は合わせてご確認ください。
パワーポイントを用いてプレゼンテーションをする際に、是非とも使ってほしいのが発表者ツールです。発表者ツールとは、簡単に言うと「プレゼン本番にカンペを見ることができる優れもの」です。もちろん入念にプレゼン練習ができるときにはあまり必要ない[…]
オンラインでのプレゼンの場合
また、近年はZoomを中心としたオンライン上でのプレゼンテーションツールが主流となっており、むしろオフラインよりもオンラインでのプレゼンの機会が増えています。
先ほど紹介した発表者ツールは、オンラインのプレゼンにおいても活用が可能です。
オンライン上で発表者ツールを用いて、原稿を見ながらプレゼンする方法を下記の記事にまとめたので、オンラインでプレゼンをする機会の多い方はこちらも必見です。
▼Zoomで発表者ツールを用いて原稿を見ながらプレゼンする方法
Zoomでの会議や集まりが増え、そのプレゼン用のツールとしてパワーポイント(=パワポ)が広く使われています。しかし、Zoom自体が使われ始めてからまだ日が浅いため、有効に活用できているプレゼンターが少ないのも現状です。パワーポイント[…]
自分なりのプレゼンスタイルを身につけよう
今回は原稿を見ながらプレゼンをしても良いかというテーマについて考察をしました。
結論として、原稿を見ながらプレゼンをすることにはメリットとデメリットの両方があることを分かった上で、適切な対応をすることが大切ということがわかりました。
発表者ツールの活用も含め、自分なりのプレゼンスタイルを身につけるようにしましょう。
では、また別の記事でお会いしましょう。