プレゼンをする時に原稿を用意してから本番に臨む方は少なくないと思います。
しかし、原稿について何かを意識して作ったことはあるでしょうか。
原稿はプレゼンの当日だけではなく、プレゼンの作成段階から役に立つ重要な準備の1つになります。
そこで今回は、プレゼンを成功に導く原稿の作り方を解説していきます。
プレゼンに原稿はなぜ必要なのか?
まずは、そもそもなぜプレゼンに原稿が必要かについて少しだけお話します。
内容の抜け漏れを防ぐことができる
1点目は内容の抜け漏れを防ぐことができるという点です。
プレゼンは原稿を作らずに丸暗記して臨むべきだ、という意見も良く耳にしますが、丸暗記するのはかなり時間がかかりますし、仮に十分に練習を積めていても当日の緊張からうっかり内容を読み飛ばしてしまうことは少なくありません。
そんな時に使えるのが原稿です。
原稿があることによって、万が一話したい内容が頭から抜けてしまってもすぐさまリカバリーをすることができます。
原稿を全文書かなくても、「今日はだいたいこの内容を話そう!」という備忘録的なメモを持っているだけで、当日のミスによる内容の抜け漏れを防ぐことができます。
また、もしプレゼンが詰まってしまっても、途中で少し原稿を見れば何とかなるという安心できる状態を作っておくことで、リラックスしてプレゼンに臨むことにも繋がります。
後述しますが、もちろん原稿に過度に頼ってしまうのは話し手的にも聞き手的にもよくないため、後半では原稿を作る上で注意するべきポイントも説明します。
プレゼンの質を向上させることができる
2点目はプレゼンの質そのものを向上させることができる、という点です。
というのも、基本的にプレゼン用の資料として作られるパワーポイントは、見やすく簡略化された資料を作成することに長けており、文章のロジックよりもビジュアルの見やすさが重視されています。
よって、プレゼン資料が綺麗に作れていても、プレゼンを文字に起こした時に、パワーポイントで簡略化された行間をうまく説明できず結局わかりづらいプレゼンになってしまうことは多々あります。
たまに、資料は見やすいけど内容が入ってこないプレゼンを目にすることがあると思うのですが、その理由は原稿にあることが多いです。
だからこそ、パワーポイントだけではなく原稿もしっかりと作成しておくことによって、聞き手に正しく内容が伝わりそうかをリハーサルという形で事前に確認しておくことが重要です。
意外と活用できている人は少ないのですが、事前に原稿を作ってすり合わせておくことは最終的なプレゼンのわかりやすさにも直結する部分になるので、作っておいて損はないです。
プレゼン原稿の正しい作り方
では、ここからはいよいよプレゼン原稿の正しい作り方を見ていきましょう。
プレゼンの原稿を作る上で、意識しておくと良いことはいくつかあります。
目的によって原稿を使い分ける
まず1つ目は、目的によって原稿を使い分ける作り方です。
ひとえに原稿を作るといっても、その原稿をどのように使いたいかによって役割が分かれてきます。
当日使う原稿には箇条書きで要点のみを書く
例えば、原稿の最も一般的な利用イメージと思われますが、原稿を当日のカンペとして使いたい時は、原稿には全文では書かずに要点だけを記しておいたほうが良いです。
なぜ全文ではなく要点だけを記した方が良いかというと、原稿の全文を作ってしまうとその原稿をただ読むだけになってしまうためです。
皆さんも、原稿にずっと目を落としたまま、ただ内容を朗読してるプレゼンを見ることは良くありませんか?
原稿を読み上げるプレゼンには、「心がこもっていない」「自信がないように感じる」「一方通行のコミュニケーション」など、ネガティブな気持ちになる方は少なくないのではと思います。
もちろん原稿の全てを否定するわけではありませんが、原稿に頼り切ったプレゼンの印象はあまり良いものではないかもしれません。
したがって、原稿を当日用に作る時には、あくまでプレゼンの補助として要点を箇条書きしておいて、当日はプレゼン中の困った時に参照する、といった程度の使い方がおすすめとなります。
全文を記した原稿はあくまで準備段階で作る
プレゼンの準備段階の場合は話が少し変わってきます。
もし作成時間に余裕があればですが、なるべくプレゼンで話そうと思っていることを実際に文字に起こしてみてください。
先ほども説明したように、パワーポイントはビジュアルを工夫することによって、なんとなくわかりやすく内容をまとめることができてしまいます。
しかし、せっかくパワーポイントを上手く作れていても、肝心のプレゼンが伝わりづらければ台無しになってしまいます。
そこで、自分で当日に話す内容をあらかじめ原稿として書いてみることによって、自分の伝えたい内容をプレゼンにした時に、しっかり伝わるかどうかを確認することができます。
原稿に起こしてみた段階で伝わりにくい要素があるようなら、その部分を修正することも必要になります。
また、原稿の全文をあらかじめ読んでおくことによって、当日の練習にも繋がるためおすすめです。
プレゼン原稿は論文とは全くの別物と考える
2つ目はプレゼン原稿を準備用に作るときの心構えについてです。
原稿と聞くと文章をイメージする方がほとんどだと思いますが、同じ文章でもプレゼン原稿と論文は全くの別物として考えた方が良いです。
プレゼン原稿が書き言葉にならないように意識する
プレゼン原稿と論文の一番の違いは、その内容が「口頭」で伝えられるか「文面」で伝えられるかです。
つまり、プレゼン原稿は口頭で伝えられるので耳で聞いて伝わりやすいように、論文は文面で伝えられるので目で見てわかりやすいように作り上げていくことが必要です。
論文で良く用いられる書き言葉は、目で見て内容を理解する分には有効ですが、プレゼンのように耳で聞いて理解するには少し違和感が出ることがあります。
そこで、書き言葉よりも話し言葉を意識した書き方をすることによって、より聞き手が耳で楽しめるようなプレゼン原稿を作ることができます。
聞き手との”対話”を意識した文章を作ると良い
また、話し言葉意外にもプレゼン原稿を作る上で重要な考え方があります。
それは聞き手との対話を意識することです。
原稿を作ると、自分が話したいことが中心になってしまいがちです。
その上、話すことが決まり切っているため、一方的にプレゼンターが言いたいことを言って終了、という何とも悲しいプレゼンになってしまう恐れもあります。
プレゼンは双方向コミュニケーションですので、自分が一方的に話すための原稿ではなく、原稿の中でも聞き手との対話を意識した要素を入れてみると良いでしょう。
パワーポイントを使う場合は”ノート”も活用する
3つ目はプレゼンそのものではなく、パワーポイントに関するアドバイスになります。
プレゼンをする際に最も良く用いられるツールはパワーポイントだと思いますが、パワーポイントには当日に使う原稿を作成できる”ノート”という機能があります。
ノートはプレゼンターにとってのカンニングペーパーのようなもので、上の画像のようにプレゼン中の画面上に自分だけが見ることのできる原稿を表示させることができます。
オンライン・オフライン問わずに活用ができる上に、紙の原稿よりも原稿を読んでいることが聞き手にも伝わりづらいので、少し原稿や箇条書きのメモが欲しい時にもうってつけの機能となります。
ノートをプレゼン中に活用するための方法を下の記事で詳しくまとめているので、パワーポイントでプレゼンをされる方はこちらの記事も合わせてご確認ください。
パワーポイントを用いてプレゼンテーションをする際に、是非とも使ってほしいのが発表者ツールです。発表者ツールとは、簡単に言うと「プレゼン本番にカンペを見ることができる優れもの」です。もちろん入念にプレゼン練習ができるときにはあまり必要ない[…]
プレゼンを良くする手段として原稿を活用しよう
プレゼンにおける原稿は、当日の補助として役立つだけではなく、プレゼンそのものの構成を見直し改善することにも繋がります。
今回紹介した内容も参考に、よりよい原稿づくりを心掛けてみてください。
では、また別の記事でお会いしましょう。