プレゼンの「つかみ」を決める、最初の挨拶をマスターしよう

突然ですが皆さん、プレゼンの前や冒頭に行う最初の挨拶を意識できていますか?

プレゼンの内容はたっぷりと時間をかけて構想を練っているかと思いますが、この最初の挨拶について考える機会はそう多くはないはずです。

しかし、プレゼンの「つかみ」という観点では、この最初の挨拶がその後のプレゼンにも大きく影響してくることもあるのです。

そこで、今回はプレゼンの「つかみ」を決める、最初の挨拶をマスターする方法を紹介していきます。

プレゼンのつかみで、最初の挨拶が大切な理由

挨拶をするビジネスマン

まずは、そもそもなぜ、プレゼンのつかみにおいて最初の挨拶が重要なのかについてお話します。

プレゼンでは第一印象が大切

プレゼンを問わず、対人コミュニケーションでは第一印象が重要です。

その理由について「初頭効果」という心理学の用語を用いて説明します。

「初頭効果」とは、人やものに関する情報が複数与えられた際に、最初の方に与えられた情報の印象が強く残るという効果のことを表しています。

この効果を発見したのはソロモン・アッシュというポーランド出身のゲシュタルト心理学者です。

彼の実験では、提示する順序によって受け取る印象がどのように変わるかを示しています。

初頭効果に関する実験を図示したもの

上の画像のように、とある人物の特性を表す用語を6つ用意し、一方はポジティブな特性を先に、もう一方はネガティブな特性を先に説明しました。

すると、6つの特性の内容自体には差がないにも関わらず、先にポジティブな特性を聞いたグループは、その人物にポジティブなイメージを持つ傾向が強かったという結果が出ました。

「初頭効果」は、商品・サービスを訴求する時にも良く例として用いられますが、元々は人の印象にまつわるエピソードであり、人の第一印象にも大きく影響しています。

したがって、プレゼンの冒頭で受けた印象はその後も影響することも多く、それだけ最初の挨拶というのも重要性が高くなっています。

できることなら、最初の挨拶の段階で「この人のプレゼンを聞いてみたい!」と思ってもらいたいですよね。

リモート環境下では最初の挨拶にも工夫が必要

また、近年ではリモートワークの増加に伴い、ビジネスの商談や大学の授業もZoomやTeamsなどのオンラインツールを用いて行うことが増えてきました。

オンラインでのプレゼンは場所を選ばずに自由な空間で行われます。

普通の会話とプレゼンの境目があいまいになるため、本題に入る前のアイスブレイクでその人の印象がついてしまうことも多いです。

オンライン上ではお互いの表情や態度が読み取りづらいため、なおさら最初の挨拶で良い印象を持ってもらうことは大切になります。

プレゼンの最初の挨拶で意識するべきこと

握手をして挨拶をするビジネスマン

ここまで、プレゼンにおける最初の挨拶がつかみとして重要であることを説明してきました。

そこで、いよいよ最初の挨拶で意識するべきことについて紹介していきます。

プレゼンの最初の挨拶でやってはいけないこと

まずは、プレゼンの最初の挨拶でやらない方がいいことを説明します。

自信がなさそうに挨拶をしてしまう

影響が大きく、かつありがちな失敗としては、自信がなさそうな話し方で挨拶を済ませてしまうことです。

営業マンが自分の売り込む商品に誰よりも自信を持つように、プレゼンターも自分のプレゼンに自信を持っている必要があります。

プレゼンターの自信や態度は、思った以上に周りから見られています。

最初の挨拶で自信がなさそうに話してしまうと、「あ、これからプレゼンする内容に自信がないのかな?」というネガティブなイメージを与えてしまうことに繋がりかねません。

自信を持ってはきはきと最初の挨拶をすることによって、これから始まるプレゼンに期待を持たせることができます。

特に、「正直あまり時間を取れていなくて内容に自信がない…」という時ほど、振る舞いだけでも堂々としておくようにしましょう。(もちろん内容も磨けているに越したことはありませんが。。。)

ウケを取ろうとしてしまう

こちらはありがちというよりは、注意していただきたいことになるのですが、プレゼンには「笑い(=ウケ)」を取ることができれば、そのプレゼンは成功している、という考え方があります。

この考え方自体には私も同意できますし、実際にただ情報を羅列させるだけのプレゼンではなく、双方向のコミュニケーションの一環で笑いが取れるというのは素晴らしいプレゼンの形だと思います。

しかし、冒頭もしくは最初の挨拶でウケを取ろうとなると難易度とリスクが跳ね上がるため、注意が必要です。

なぜかというと、プレゼンの序盤というのはプレゼンターと参加者の双方がある程度の緊張状態にあり、ウケを取るのがとても難しくなっているためです。

その上、もし失敗してしまったら序盤の印象がその後のプレゼンにも響いてしまい、両者の間でとても決まずい空気が流れてしまうこともあります。

自分の笑いのセンスに相当な自信があればいいかもしれませんが、最初の挨拶でウケを狙いに行くのはやめておいた方が無難でしょう。(中盤以降、少し場が和んできたところで挑戦してみてください)

長々と時間を使って挨拶をしてしまう

また、最初の挨拶に時間をかけすぎてしまうのもご法度です。

なるべく丁寧に話そうとして、最初の挨拶や自己紹介が長くなってしまうことは良くあると思います。

私もたまに最初の挨拶が長くなってしまうことがあるのですが、参加者はプレゼンターの挨拶でなく、プレゼンを聞きに来ています。

本題に触れる時間が短くなってしまわないように、何かしらトピックを入れるにしてもなるべく手短に済ませるようにしましょう。

☆ 自信がなさそうに挨拶をしない
☆ 最初の挨拶からウケを取りにいかない
☆ 挨拶に時間をかけすぎないようにする

プレゼンの最初の挨拶のコツ

プレゼンの最初の挨拶でしてはいけないことがわかったところで、次は意識できると挨拶が上手くいく、挨拶のコツについて紹介していきます。

参加者に共感してもらえる内容を話す

一般的かつ汎用性が高いコツとして、参加者に共感してもらえる内容を話すことを意識してみましょう。

例えば、この記事を書いているのは12月の上旬になるのですが、

「最近は寒くなってきて、布団から出るのが辛い季節がやってきましたね。皆さまも風邪を引かないよう、今日のプレゼンは温かい飲み物でも飲みながら、リラックスして聞いていただければと思います」

など、最初の挨拶で季節に言及したり、ちょっとした参加者を気遣うような発言をしたりすると、物腰柔らかな印象を与えることができます。

何気ない世間話を挨拶に組み込むのは取り入れやすいテクニックなので、ぜひ導入してみてください。

これも話が長くなり過ぎないように注意です。

自己紹介用のスライドを1枚用意しておく

また、最初の挨拶として自己紹介をすることは少なくないと思います。

特にオンラインでの会議が増えた今、パワーポイントのスライドが1枚でもあると、投影しながら自己紹介をして、自分のことをより良く知ってもらうことができます。

自己紹介スライドはプレゼンの最初を飾る名刺のようなものにもなりますし、おしゃれな自己紹介スライドを作っておくと色々なプレゼンで使いまわせるのでおすすめです。

自己紹介スライドをおしゃれに仕上げる方法はこちらの記事で解説しています。

▼おしゃれな自己紹介スライドを作ってみよう

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口頭だけだと心もとない最初の挨拶も、自己紹介スライドという視覚的なサポートがあることで自信を持って行うことができるようになるはずです。

☆ 参加者に共感してもらえるような話題を出す
☆ 自己紹介のスライドを1枚用意しておく

最初の挨拶はあくまでプレゼンまでのつなぎ

プレゼンの最初の挨拶は第一印象に繋がりますが、そこまで深く考えすぎる必要はなく、まずはやってはいけないことをやらないことが重要です。

スムーズにプレゼンに移行できるように、最初の挨拶を自分の中で固められるように意識しておくと良いでしょう。

では、また別の記事でお会いしましょう。

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