「え、パワポ禁止ですか!?」Amazon社内プレゼンのすごいルール

こんにちは、やっすんです。

私は普段、パワーポイントの基本知識やテクニックについて記事を書いています。

そんな中、いつものようにTwitterでパワポに関する投稿を見ていると…

Twitterのトレンド「パワポ禁止」

え、パワポ禁止?

5000ツイートはさすがに目を疑いました。(サイト存亡の危機かと思ったほどです)

なんでそんないきなりトレンドに…と思いハッシュタグのツイートを見たところ、私のように驚いた人も多いようです。

なるほど…どうやら2020年9月に東洋経済新報社から出版された

『amazonのすごい会議―ジェフ・ベゾスが生んだマネジメントの技法』

という著書が話題を呼び、そこからTwitterのトレンドにまで発展したようですね。

Twitter上でも賛否含め、様々な意見や感想が寄せられていました。

私は大学でパワポを用いたプレゼンをする機会が多く、重要性についても身をもって経験している立場ですので、

「なぜAmazonの会議ではパワポが禁止されているのか?」
「パワポは本当に不要なのか?」

ということを、独自の見解・偏見も踏まえてまとめようと思います。

参考:「アマゾンの会議」でパワポ資料がNGな理由~ジェフ・ベゾスが気づいた「箇条書き」の盲点~|東洋経済ONLINEの記事より

Amazonではなぜ「パワポ禁止」になっているのか

Amazonの会議では、説明用の資料としてパワーポイントは使わず、多くの場合はワードが使われています。

それは、Amazonの会議の資料は「文章(ナレーティブ)形式で書く」というルールがあるからだそうです。

Amazonがこのやり方を採用しているのは、パワーポイントを利用することで起こりうる弊害を危惧しているためとのこと。

この時点では私も「???」という感じだったのですが、箇条書き禁止という話を聞いて、少し「なるほど」と思う部分がありました。

パワポ禁止=箇条書き禁止

パワーポイントを使うことで起こりうる弊害のひとつとして、「箇条書きの使用」が挙げられています。

例えばパワーポイントのプレゼン資料に「最高のカスタマー・エクスペリエンスを提供します」と書いておいて、そのために具体的に何をやるのかは、プレゼンの当日に口頭で説明するとします。
そうした場合、会議の出席者には詳細がその場で伝わるかもしれませんが、後日その資料を見直したときや、その会議に参加していない他者がその資料を見たときにはどうでしょう。「たしか、こういう話だっただろう」とか「こんなことをするって話だよね」と勝手に解釈してしまい、資料に書かれた真意がうまく伝わらない可能性があります。

引用元:「アマゾンの会議」でパワポ資料がNGな理由~ジェフ・ベゾスが気づいた「箇条書き」の盲点~|東洋経済ONLINEの記事より

こちらは、『amazonのすごい会議―ジェフ・ベゾスが生んだマネジメントの技法』の著者である佐藤 将之さんが東洋経済ONLINEの記事で仰っていた内容となります。

箇条書きを多用して内容は当日に補足する、といった会議・プレゼンの形式は一般的なように思えますが、当日にメモでも取らない限り配布資料に書いてある以上の内容は少しずつ忘れてしまいます。(そこに関しては議事録ダメなのか?とも思いましたが…)

パワーポイントの基本は「内容を全て書かずに、箇条書きを使うこと」ですが、Amazonでは、この箇条書きによって「行間」の解釈にズレが生じうることを問題と捉えているようです。

文章(ナレーティブ)形式で書くメリット

また、箇条書きを禁止にしている理由はそれだけではありません。

著者である佐藤氏によると、文章(ナレーティブ)形式で資料を作ることで、自身の意見をじっくりと推敲し、質の高いものに仕上げるというプロセスに期待ができるようです。

確かに、作成が非常に簡単なパワポ資料(箇条書き)は、多少内容が詰め切れていなくてもスライドとしておこすことはできますし、細かい部分は当日のプレゼンでカバーしきればいいという考えのプレゼンターは少なくありません。

しかし、文章形式で書く場合にはそうはいかず、整合性の合わない部分はないか、何度も吟味を重ねて推敲していく必要があります。

そうすることによって、よく思考された質の高い文章・提案を作り上げることができるということでしょう。(そういう意味では論文と同じですね、卒業論文書きたくない…泣)

「その場で読んですぐに理解できる文章を書く」というAmazonの前提条件には、そういった裏意図があることがわかります。

本当にパワポは不要なの?

※先ほどまではまとめ記事のような内容でしたが、ここからは私個人の見解がかなり入ってきます。

もちろん今後いきなりプレゼンや会議からパワポが消えるということはないと思いますが、Amazonの事例を見ると確かに必要のない場面も今後は出てくるかもしれません。

どういった時にパワポは不要になりうるのか

例えば社内会議の際に、内容で劣った施策をパワポで魅力的にアピールして押し通してしまうことは、会社にとって良いことではありません。

これは人間の感性の問題ですが、本当はあまり良くないアイディアだったとしても、見た目が魅力的なパワーポイント資料を見せられると「なんだかいけそう!」と思わせてしまうことは良くあります。(学生が参加するビジネスコンテストも、スライドの見た目で幾分か審査が有利に働いていた印象です)

視覚的なアプローチは、クライアントなど外部の相手に施策を通すためなら良いかもしれません。

しかし、まだ構想段階である社内会議でパワポを使ってしまうと、情報量が少なく視覚的なアピールが出来てしまい、適切な判断を鈍らせる恐れもあります。

こうして考えると、社内で使う資料では、過度に内容をアピールしてしまう恐れのあるパワーポイントよりも、冷静に内容を判断することができるワードを使うのも妥当性があるように思えます。

また、この方のツイートにもあるように、パワポ作りにかける時間が無駄という意見もあります。これについても共感できる部分があります。

パワポ作りに時間をかけすぎてしまうと、肝心の内容部分がおろそかになってしまったり、他の業務に支障をきたしたりしてしまう可能性があります。

Amazonの事例にもあるように、社内での会議段階ではそういった視覚的なアプローチよりもよりロジカルな部分を詰めることの方が重要であるというのも納得できます。

「パワポ禁止」は場合によっては理にかなっていると言えるかもしれません。

「すべてのパワポを禁止」ではない

しかし、勘違いしてはいけないのが、Amazonはすべてのパワポを禁止しているわけではないということです。

あくまで「パワポ禁止」は、社内で使う一部の文書に限った話で、それ以外の社外プレゼンの場などではパワポが使われているようです。

私個人の意見として、プレゼンは聴衆に対する「体験価値の提供」であり、その「体験」の価値を高める大切な役割はパワーポイントこそが果たしていると信じています。

例えば、営業が顧客に提案をする時、顧客との時間は有限ですので、限られた時間の中で相手を説得し、動かすことが求められます。

そのような場面では、ワードで作成した書類を渡して「読んでください」というのは難しい話です。(当然ですが)

どの部分が大切なのかが一見して分からないうえ、文字だけではイメージが湧かず、興味を持ってもらえないかもしれません。やはりそのような場面では、パワーポイントを使ったプレゼンテーションが必要になってきます。

パワーポイントは情報をビジュアル化し、相手に短時間で分かりやすく伝えるためのツールです。

たしかに社内会議においてパワポは「禁止」なのかもしれません。

しかし、それ以外の場面での有効性を考えると、パワーポイントはいらない!と決めつけてしまうのはあまり得策ではないはずです。

まとめ

Twitterのトレンドを見て興奮の冷めやらぬまま思うままに書いたので、文章に変なところもあるかもしれません(笑)

Amazonとしても社内の会議資料での話をしているだけで、パワポを使ったプレゼン自体が「悪」だと言っているわけではないと思います。

プレゼンに最も必要な「わかりやすさ」というのはやはりパワーポイントがあってこそ完成するものです。パワーポイントを使う時も、その大前提をはき違えないようにスライド作成をするべきでしょう。

では、また別の記事でお会いしましょう。

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