パワーポイントの最重要項目、スライドマスターを完全攻略する

皆さんが普段から使うことが多いパワーポイントですが、その知識の中で最も重要度の高い機能がスライドマスターです。

スライドマスターは使いこなせるとパワーポイント作成がこれまでの比にならないくらい快適になります!

しかし仕組みが複雑なので、多くの人が挫折するポイントでもあるのです。

今回はそんなスライドマスターについて、機能や使い方を詳しく解説していきます。

スライドマスターとは?

スライドマスターはパワーポイントの基本設定

皆さんがお使いのパソコンやスマートフォンに設定があるように、パワーポイントにも設定があります。

スライドマスターを一切触ったことがない方もいるかもしれませんが、パワーポイントを開いた直後は、初期設定のままのパソコンやスマートフォンと同じ状態と言えます。

パソコンやスマートフォンを初期設定のまま使い続ける人はいませんよね。自分の使いやすいようにアプリを入れたり、設定をいじったりするはずです。

つまり、スライドマスターを設定するということは、あなたのパワーポイントを使いやすいようにカスタマイズすることと同義なのです。

スライドマスターで設定できるもの

パワーポイントを使う時は、見やすくデザインされたスライドを作りたいですよね。

そのためには、覚えておくべき知識がたくさんあります。

パワーポイントで必要な知識

例えば「フォント」「配色」「レイアウト」など、様々です。

それぞれの選び方や使い方については、このサイト含め多くの記事で紹介されているため、気を付けている方は多いと思います。

しかし、そういったフォントや色、レイアウトなどを毎回新しく考えるのは大変じゃないですか?

パワーポイントのフォント、配色、レイアウトの初期設定

こちらの画像は、パワーポイントを開いた時の初期設定です。

  • フォントが游ゴシックで固定されている
  • テーマの色があまりしっくりこないため、色を毎回探している
  • 画像や文字をどこに置けばいいか1枚ずつ考えないといけない

と、初期設定のパワーポイントはお世辞にも使いやすいとは言い難いです。

フォントや色は1回1回変更をする手間がかかりますし、レイアウトにも統一感がなくなってしまいます。

スライドマスターでは、こういったフォントや配色、レイアウトなどの設定をあらかじめ施しておくことで作業効率を高めるカスタマイズをすることができます。

既存のテンプレート(テーマ)もある

パワーポイントの既存テンプレート

誰もが一度は目にしたことがあるのが、上の画像にもあるような既存のテンプレート(=テーマ)です。

既存のテンプレートは、パワーポイントに元から入っているテーマと呼ばれるもので、デザインをある程度仕上げてくれています。

既にスライドマスターでフォントや配色、レイアウトなどを設定してあるため、

「スライドマスターなんて面倒くさいもの使ってられるか!!」という方は既存のテーマを選択しましょう。

既存のテンプレートで作られたパワーポイント

あとは、文字や画像を当てはめていくだけでパワーポイントを完成させられます。

こちらは既存のテーマを用いて作成したスライドですが、デザインもデフォルトと比べるとまだマシです。

詳しくはこちら

みなさん、プレゼン資料を作る時には、「なるべく時間をかけずにおしゃれなパワーポイントを作りたい」ですよね。そんな時には、テンプレート(=テーマ)が役に立ちます。パワーポイントには、デザインも多様な約40種類の[…]

しかし、やはりこれらの既存テンプレートもまだ使いづらいものが多く、自分で設定をしたくなることがほとんどです。

よって、結局はスライドマスターを自由に編集できる知識は必要です。

スライドマスターを使うことで、「フォント」「配色」「レイアウト」といったパワーポイントの基本設定をカスタマイズすることができる。
 

パワーポイントでスライドマスターを編集する

スライドマスターを開く

パワーポイント作成にとても便利なスライドマスターですが、これまでに使ったことがないし、見たこともないよ!という方も多いのではないでしょうか。

スライドマスターの開き方

パワーポイントの【表示】タブから、【マスター表示】にある【スライドマスター】を選択してください。

すると、スライドマスター専用の画面に移動します。

 

パワーポイントのスライドマスター画面

こちらがスライドマスター専用の編集画面です。

この画面は、通常のスライド編集画面とは別のレイヤーになっていて、パワーポイントの基本設定を行うことができます。

左側には見慣れないスライドが並んでいますが、ここは後で説明するのでとりあえずは気にしないでください。

また、重要なポイントとして、スライドマスターを開いている間は通常のスライドの編集はできません。元の画面に戻りたい時は、【スライドマスター】タブの【マスター表示を閉じる】を選択しましょう。

スライドマスターでフォントを設定する

さっそくスライドマスターを活用していきましょう。
まずはフォントの設定からです。

パワーポイントの初期設定では、游ゴシックというフォントが設定されています。

パワーポイントのフォントを手作業で変更する画像

よって、お気に入りのフォントがあってそれを使いたかったとしても、文字を入れる度に游ゴシックから変更をしなくてはいけません。

これは大きな手間になってしまいますよね。

フォントの設定方法

そこで、自分のお気に入りのフォントをスライドマスターで登録しておきましょう。

フォントのカスタマイズ方法

スライドマスターの【フォント】から【フォントのカスタマイズ】を選択しましょう。
フォントのカスタマイズ画面では、自分のお気に入りのフォントを登録できます。

 

フォントのカスタマイズ画面

ここでは「英数字/日本語・見出し/本文」のフォントをそれぞれ登録できます。右側にサンプルが出るので、好きなフォントを選びましょう。

フォントに悩んだらこれ!

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フォントを登録したら、わかるように名前をつけて保存しておきましょう。

これで、自分のお気に入りのフォントがデフォルトの設定になりました。

 

スライドマスターでテーマの色を設定する

色についても同様に、スライドマスターが活用できます。

パワーポイントでは、下の画像のように【テーマの色】と【標準の色】がデフォルトで設定されています。

パワーポイントのテーマの色と標準の色の画像

しかし、テーマの色はあまり使いたいとは思わないでしょうし、標準の色についても明度や彩度が高いものが使われており、プレゼン向きではありません。(色がチカチカしていて視認性が低いと言われています。)

 

パワーポイントのその他の色の画像

そうなると、スライドマスターを使わない場合はこちらの【その他の色】から、適当に色を選んで使っているのではないでしょうか。

しかし、毎回ここから色を探すのは面倒ですよね。

テーマの色を自分で設定する

標準の色は固定なので編集できません。

しかし、テーマの色はスライドマスターを使うことで、自分が良く使う配色にカスタマイズできます。

スライドマスターで色のカスタマイズ

今度はスライドマスターの【配色】を選択し、【色のカスタマイズ】をしましょう。
基本的な考え方はフォントのカスタマイズと同じです。

 

色のカスタマイズ画面

テーマの色の設定方法は諸説ありますが、必ず設定しておいた方がいいのは、

  • ベースカラー(白がおすすめ)
  • テキストカラー(濃いグレーがおすすめ)
  • メインカラー(主役の色)
  • アクセントカラー(メインカラーに合わせて決める)

この4色ですね。

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他の色も設定していいとは思いますが、色を増やしすぎると、かえってスライドが見づらくなってしまうので気を付けましょう。

色を選び終わったら、フォントの時と同様に名前をつけて保存しておきましょう。

 

テーマの色を用いたグラフ

ちなみにテーマの色は、設定するとそれぞれの色で明度を6段階から自由に選択できるようになります。

同系色の使い分けによっておしゃれな色遣いを演出できるため、テーマの色は必ず編集しておきましょう。

 

スライドマスターでレイアウトを設定する

スライドマスターには、「レイアウト」という設定が存在します。
レイアウトでは、背景をどのようにして、どこに画像や文字をどの大きさで入れるかといったデザインを設計できます。
下の1枚目の画像がスライドマスターで作成したレイアウトです。
パワーポイントのスライドマスターで作成されたレイアウト
レイアウトに文字や画像を入れたスライド
作成したレイアウトは、スライド作成中にいつでも使用することができます。
レイアウトを呼び出して、画像や文字を入れていったものが2枚目のスライドになります。
他にも、文字だけのレイアウトや、グラフ付きのレイアウトなども作っておくことで、パワーポイントを作成する時の作業が【レイアウトを選ぶ→図形や画像、文字を入れていく】だけになります。
その結果として、レイアウトの使いまわしができるようになるため、結果としてパワーポイントを楽に作れるようになるということです。

マスターとレイアウトを理解する

スライドマスターでレイアウトを複数作成しておくと、その後もずっと使いまわしができるのでとても便利です。

しかし、レイアウトを作るためには、「マスター」と「レイアウト」の違いを理解しないといけません。(ここが一番難しいかもしれません、頑張ってください。)

マスターとレイアウトの説明画像

スライドマスター画面の左側に並んでいるスライドは、「マスター」と「レイアウト」と呼ばれています。(わかりやすくするために、パワーポイントの既存テンプレートを使って説明します)
元の画面でスライドを作る時には、実はこのレイアウトの中からベースが1つ選択されています。
よって「マスター」は1つだけですが、「レイアウト」は無数に作ることができます。
では、「マスター」はどこに使われているのかというと、「マスター」で行われた編集は、すべての「レイアウト」に影響を及ぼしているのです。
このテンプレートの場合は黒の背景ですね。例えば背景の黒を白に変えた場合、全てのレイアウトの背景が白に変わります。
「レイアウト」にはあらかじめ「マスター」で編集した部分が反映されていて、それを元にそれぞれの「レイアウト」を作っていくというイメージです。
つまりは、
マスター→全部のスライドに反映させる部分(背景色など)
レイアウト→スライドによって変えたい部分(画像や文字の配置など)
と覚えておきましょう!
「マスター」で編集された内容は全ての「レイアウト」に反映されますが、「レイアウト」から「マスターの内容」に編集を加えることはできないので要注意です。

レイアウトを組み立てていく

基本的に背景は白が安定なので、今回はマスターはいじらずにレイアウトのみを編集していくことにしましょう。

スライドマスター画面で【レイアウトの挿入】をクリックすることで、新しいレイアウトを作ることができます。(最初から入っているレイアウトはほとんど使うことはないので消してしまってもいいです。)

レイアウトを編集する時は、テキストボックスや画像ではなく、「プレースホルダー」を配置していきます。

プレースホルダーとは、文字や画像を入れるための枠のようなものと考えてください。

レイアウトに文字や画像を入れてしまった場合、スライドマスターを閉じてレイアウトを適用した時に、それらの文字や画像は背景として扱われてしまうので注意しましょう。

プレースホルダーの説明画像

スライドマスター画面で【プレースホルダーの挿入】を選択すると、何を配置するかの選択ができます。

例えば文字を入れたいならテキストを選べばいいですし、画像を入れたいなら図を選択すればOKです。

フォントサイズや色、画像の大きさも設定できるので、自分の好きなように配置していきましょう。

 

パワーポイントのスライドマスターで作成されたレイアウト

例えば、このように画像や文字を配置してみました。(わりとオーソドックスで使いやすいレイアウトなので、ぜひ真似してみてください)

作成したレイアウトを使用する

では、先ほど作成したレイアウトを実際に使ってみましょう。

スライドマスターを閉じて、通常のパワーポイント作成画面に戻ります。

スライドマスターで作成したレイアウトをパワーポイントに挿入する

新しいスライドを挿入する際に、先ほどのスライドマスター画面で作成したレイアウトを選択しましょう。
レイアウトは複数作るのが基本なので、コンセプトがわかるように名前をつけておくのがおすすめです。

 

スライドマスターで作成されたレイアウトが挿入された

レイアウトを選択すると、スライドマスターで作成したレイアウトが挿入されます。

文字を入力したい場合、文字のスペースをクリックすればそのまま書き込むことが可能です。

画像を挿入したい場合は、画像のスペースの中央にあるアイコンをクリックすれば、パワーポイントに挿入する画像を選択するためのウィンドウが開きます。 

 

スライドマスターの設定を保存しておく

ここまでで、フォント・テーマの色・レイアウトをそれぞれ編集してきました。

しかし、次またパワーポイントを作る機会があったときに、またイチから今の設定を始めるのは面倒ですよね。

そこで、最後に編集した設定を「オリジナルのテーマ」として保存する方法を紹介します。

スライドマスターからテーマを保存する

【スライドマスター】を開いて、【テーマ】→【現在のテーマを保存】の順に選択しましょう。

 

すると、保存画面が出てくるので、名前だけ適当に決めてそのまま保存してください。(ファイルの種類を変えないように注意)

 

その他のテーマを選択

ホーム画面から、その他のテーマをクリックします。

 

保存したテンプレートが使えるようになっている

これでここまでで編集してきた設定をいつでも使えるようになりました。

スライドマスターを制する者はパワーポイントを制す!

パワーポイントを使う上で、スライドマスターは必須のテクニックになります。

スライドマスターが使えるだけで、パワーポイントに対する苦手意識が一気に軽減されるので、しっかりとやり方を覚えておきましょう。

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